自分の好きなところで暮らしたい。こう考える障害・病気を持つ人や高齢者には、訪問系の福祉サービスや地域医療が必要だ。しかし今の日本は、施設系の福祉サービス(グループホームを含む)、病院中心の医療サービスが儲かる産業構造になっている。本人の生活を見ずに産業化している。
私の生活に欠かせない重度訪問介護(訪問系の福祉サービス)は、ヘルパーの労働で次のような構造的問題がある。
• 派遣時間が細切れの場合が多く、拘束時間と賃金が見合わない(1日2派遣以上ある場合、移動時間・休憩時間も給与に反映すべき)
• 利用者が病気で派遣が中止になった場合、労働保障が乏しい(キャンセル時の給与保障、他の業務に行えるようにする)
• 訪問系サービスの宣伝がなく、イメージが付きにくい(訪問系サービス専門のキャリア相談)
上記の労働条件ならば、働く側としては「施設の方が良い」と思ってしまう。国は、人とお金を施設系サービスに誘導にしたいため、意図的にこの仕組みにしていると考える。国としてはハコ物を単位として考えれば管理がしやすいからだ。しかし、施設(グループホームを含む)は集団生活を基本とするもので、利用者の生活に沿うのはできない。
訪問系を儲かるようにすることが急務である。例えば、重度訪問介護を福祉の標準サービスにするのは、どうか。具体的には、
• 障害・病気を持つ人には、全員に重度訪問介護を支給
• 1日24時間をベースに、本人の意向に応じて減らしていく支給方式
• ヘルパーの給与は月給固定制(派遣時間で換算しない)
• どの時間にはいってもらうかは、本人・ヘルパー・事業所が決める
• 高等教育機関、職場、通所施設、病院などのあらゆる生活で重度訪問介護を使えるようにする(本人がどこに行こうがヘルパーを使える =空き時間が減る)