2025-08-10

胃ろうをつけた経緯4:退院へ

 激痛が治まり始めた726日頃、相談支援の方が来て、退院後の生活について話し合った。そこで浮かび上がった課題は、以下の通りである。

1,ヘルパー(バックアップ要員を含め約30名)の胃ろう・痰吸引研修はどうするのか。

2.胃ろうの衛生ケア、月1回の注入口の交換は、どうするか。

3.吸引機の購入。

3点については相談支援と訪問看護がリーダーシップをとっていただき、実現に向けて動いてくださった。私は「今後もこの市で自立生活をしたい。ヘルパーには合法的に胃ろう・痰吸引をしてもらいたい」と何度も言い、LINEとメールで打ち合わせを重ねていった。今から思うと、朝7時にLINEで要望するのはカスタマーハラスメントだったかもしれない。申し訳ない。

2の胃ろうの衛生ケアや交換については、訪問看護ステーションに加えて、新たに訪問診療をお願いすることにした。訪問診療は訪問看護と違うなど知らなかったが、相談支援とステーションが手続きをサポートしてくださった。「平時から訪問診療を検討しておけば良かったな」と後悔する。以前に連携していれば、もう少し早く家に戻ることが出来たかもしれない。

1のヘルパーの胃ろう・痰吸引の資格について。今の法令では、ヘルパーが経管栄養をするためには、座学8時間と実地研修2回、テストを受ける必要がある。実地研修は1日一人しか受けることが出来ない。全員が資格を取るのに数か月かかる。その間、どうするのか。打ち合わせの過程では、長期療養型病院に移るかという話も出て来た。入院した病院は急性期病院のため、制度上長くいることは出来ない。しかし私は、以下を退院支援の方に明確に伝え、転院には強く反対した。

 

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転院はしたくないです。これが通れば、何でも従います。退院日については皆さんで話し合ってください。意見は言いますが、基本聞いています。

ただし、退院日の前日に言われると、タクシーなどがとることが出来ないので、2日前にわかると、嬉しいです。

【転院不可の理由】

転院先がヘルパー24時間付き添いを許可するかが不明です(実際、系列病院に確認すると、ヘルパーは難しいですと言われたらしい。また場所によっては病院に行くことの出来ないヘルパーもいると思います。

ヘルパーがいなければ、布団の調整、車椅子に乗ること、パソコンで意思を伝えることが出来ません。ストレスがたまり、体調が悪化します。

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退院支援の担当者は、私の要望をとても尊重してくださり、訪問診療とステーションに密に掛け合ってくれた。そして87日、合同カンファレンスで退院日が812日に決まった。

退院後は、ヘルパーたちが資格をとるまでは家族と訪問看護ステーションに頑張ってもらう。本当にありがたい。

 36日間の入院は終わるが、誤嚥したときに使う吸引機がまだ届かない、カロリーが不明、経口摂取がどのくらい行えるかなど、安心できない。しかし冒険はこれから始まる。ワクワクである。