本記事は、以下のウェブページを翻訳アプリ(DeepL Pro)で下書きし、後編集と要約をしたものです。
https://www.theguardian.com/global/2025/mar/27/us-disability-rights-trump
2025年3月27日、ガーディアン
トランプ政権は、障害者の権利と教育を解体しようとしている。歴史が示すように、これはすべての市民の自由に対する警告のサイン。
ドナルド・トランプが大統領に就任する12日前、地元ラジオ局の番組司会者で右翼活動家のチャーリー・カークは、自身の番組で、ロサンゼルス山火事の緊急記者会見ににおけるアメリカ手話(ASL)通訳の存在に苦言を呈しました。もう一人の右翼活動家、クリストファー・ルーフォは、Xで、手話通訳を
「野生の身振り手振り 」と呼び、通訳しているところを 「道化師の芝居番劇 」と呼びました。右翼理論家で作家のリチャード・ハナニアは、ルフォのツイートを引用し、ASL通訳を「ばかばかしい」だと断言した。
この頃、イーロン・マスクはRワード(知恵遅れなど、人を差別する言葉)を復活させようとしていた。じっさい、彼の投稿の後、XではRWordの使用が3倍に増えた
障害者の歴史をあまり知らない人にとっては、これらの攻撃は大きいが、そんなに威力が無いものだと読めるかもしれない。しかし、活動家たちは直ちに警鐘を鳴らした。次の政権は障害者になにをもたらすのかと。「聴覚障害者のコミュニティにとって、アクセシビリティのための闘いは目新しいものではありません」と、聴覚障害当事者で教員、活動家のサラ・ミラーさんは言う。
優生思想の見方 ―イーロンマスクと威嚇的な言説の復帰―
ミラーさんは、大きなプラットフォームを持つ保守派の、アクセシビリティに反対する動きが急増しているのを目の当たりにしてきたという。例えば、2020年のコロナ禍の記者会見で手話通訳をつけるために全米ろう者協会が訴訟を起こさなければならなかった。「第1期トランプ政権の時と今をみれば、現在、多様性、公平性、インクルージョン、アクセシビリティがどのように狙われているかが分かります」
以前なら残酷すぎる、あるいは有害すぎると考えられていた政策を正当化するために、文化的憤激を作り出すのは、極右の常套手段である。最近アメリカでは書籍禁止令を強化し、黒人の歴史やジェンダーを肯定するものを非合法化するためにこの動きがある。
ソーシャル・メディアのフォロワーたちは指示を受け、特定のターゲットに不満をぶつけ、その話題を繰り返す。やがて、政治家はそのアイデアを利用し、支持層を取り込むためにそれを利用する。そして最終的に、話題は政策そのものとなり、政治家たちは、「国民からの委任を受けた」と主張し、社会から疎外された人々の権利を剥奪することを正当化する。
2025年1月21日、ホワイトハウスのウェブサイトからアクセシビリティのページとすべての手話コンテンツが削除された。その後、ホワイトハウスや、トランプの反DEIA命令によって、合理的配慮部門が解体され、複数の連邦政府機関から、対面の通訳者が消えた。
全米科学財団では、「多様性」や「女性」と並んで、「アクセシビリティ」や「障害」といった言葉も助成金申請の却下事由に挙げられており、他の連邦機関や研究機関でも懸念の声が上がっている。
そして3月中旬、アメリカ障害者法(ADA)の施行を担当する司法省は、アクセシビリティが生活費値上げの要因であるとしてこの動きを正当化し、アクセシビリティを勧める重要な指針の取り消しに着手した。
「私たちは、公平な社会を作る手段を持っているが、現代の考え方は、障害を重荷とみなしています」アレクサンドラ・F・モリス博士
障害児の教育を受ける権利にも、火の粉は降りかかっている。3月20日、トランプ大統領は教育省を解体する大統領令に署名した。リンダ・マクマホン教育省長官は3月初め、教育省のほぼ半分にあたる1300人以上を解雇し、7つの地域事務所、教育省公民権局の大部分、特別教育・リハビリテーション・サービス局の一部を廃止した。この解雇をめぐっては、21人の弁護士が「違法で違憲」であるとして提訴した。
教育省は、障害児の早期介入や高校卒業後の移行プログラム、アメリカ盲人印刷所やスペシャル・オリンピックスのような団体に資金を提供している。また、障害児に「自由で適切な公教育」を受ける権利を与える法律である障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act)の施行も行っている。子どものニーズとサービスは、個別教育プログラムという法的拘束力のある合意書に文書化され、言語療法、理学療法、作業療法、特別カリキュラムの使用などのサービスが提供される。この文書によって字幕、ASL通訳、スロープやエレベーター、点字教材、優先席、音声図書、ノートパソコンやノートテイカーの使用、移動休憩などの合理的配慮が行われている。
このような施策がなければ、障害のある子どもは普通学級にいても、有意義な教育は受けられない。3月27日現在、特別教育局長は不在である。
他の政府機関でも、障害者の権利が脅かされている。テキサス対ベセラ訴訟は、リハビリテーション法504条(米国政府や連邦政府から資金を受ける団体の差別防止)を違憲とするよう裁判官に求めている。もしこの法律が無効となれば障害者が、病院やメディケイドを受け入れている医院で治療を受けたり、連邦政府職員として雇用されたり、政府関連の建物に入るなど、障害者の基本的な権利やサービスが危険にさらされることになる。
炭鉱のカナリア
歴史的に見ても、障害者に対する政府の対応は、社会政策の思惑をいち早く示す指標となり得る。障害者は炭鉱のカナリアのような存在である。例えば、地球の気候変動の影響をもろに受けやすい。マッカーサーフェローであり、Disability Visibilityの著者であるアリス・ウォンさんは、Eメール取材で次のように述べている。
「障害者や高齢者は、災害時に避難することができなかったり、重要な情報にアクセスできなかったりと、大きな障害に直面します。」
「人工呼吸器に依存している私にとって、計画停電を引き起こす暴風雨や山火事の際の停電は懸念事項です。私は予備の蓄電器を持っていますが、1〜2日しか持ちません。連邦政府機関や州政府機関が、外出用バッグの準備や予備の薬の備蓄といったアドバイスをしているのを見ると、思わず笑ってしまいますね。」
ロサンゼルスの山火事では、車いすユーザーのアンソニー・ミッチェルさんとその息子が助けを求めたものの、手遅れだった。
障害者が取り残されることは、アメリカの政治状況にとって目新しいことではない。アメリカには障害者を根絶しようとした歴史がある。
優生学とは、人間は「望ましい形質」を求めて繁殖し、望ましくない形質を抑制すべきだという疑似科学的な信念のことだ。19世紀後半にアメリカだけでなく世界的に広まった。
優生学に基づく法律は1907年にアメリカで成立した。インディアナ州で制定された「犯罪者、馬鹿者、強姦魔、強姦魔の繁殖を防止するための法律」。同法は、それらの人々に対して不妊手術を義務付け、州の学校や施設にいる障害者や投獄中の人々を対象とした。ナチスは1934年のハンドブックで、アメリカの成文化された優生学と人種差別を賞賛することになる。
ドイツでは、スペイン風邪の大流行と第一次世界大戦という2つの大きな惨事が重なった。その結果、経済的苦境、食糧や医薬品の配給制、施設や長期病院の過密状態を引き起こした。ドイツの優生学者が「生きる価値のない命」と呼ぶものを根絶しようと呼びかけたのは、ヒトラーが政権を握る前の1920年代からであった。1933年までに、雑誌『Volk und Rasse』はさまざまな優生学についてのプロパガンダを掲載していた。例えば、「学習の遅い人」、「教育可能な精神病者」、「盲目または聾唖の学童」と書かれた大きな金袋の画像を使った政治漫画がある。その漫画には「社会的な不適格の者にお金を使うべきでしょうか」という説明が添えられている。
同じ時期、聾唖者、盲者、精神分裂病者、てんかん、双極性障害、慢性アルコール中毒、その他多くの疾患の「遺伝性疾患」をもつ者の不妊手術を強制する法律が制定された。1935年には、この法律が拡大され、リストに記載された疾患のいずれかを持つ胎児の強制中絶が義務づけられた。この期間にドイツと併合地域で約40万人の障害者が不妊手術を受けさせられた。
ドイツでは、障害者を「穀潰し(useless eater)」と決めつけるプロパガンダが、さまざまなメディアを通じて展開された。文学、ドキュメンタリー、劇映画などの芸術は、慈悲による殺人という解決策を提示した。マーク・P・モスタートが2002年の論文『Useless
Eaters』で概説しているように、特に人気のあった1941年の映画『I Accuse』は、安楽死は障害者に対する親切な行為であるという信念を急増させた。この映画では、男性は美しい障害者の妻を愛の行為として安楽死させた。そして彼は、法廷で、こう問いかける。「もし貴方たちが障害者だったら、永遠に植物状態でありたいと思いますか?」と。映画のラストシーンは「愛は薬である」と宣言している。
ドイツなどで安楽死への支持が爆発的に高まり、障害者の安楽死は当初、「愛する者を殺すことは思いやり」という世論を信じた家族のために行われた。1939年、ヒトラーは国家初の公式プログラムである、障害児殺処分を監督する諮問委員会を設置し、その年から一斉に殺処分が始まった。
Aktion T4計画によって、障害者処分は急速に拡大し、ドイツの複数の収容所で行われるようになった。ナチスのガス室は障害者への使用に完璧だった。「患者」はシャワーを浴びるために送られ、そこで一酸化炭素ガスで毒殺され、火葬場に送られる。一酸化炭素では遅すぎることがわかると、シアン化合物をベースとするツィクロンBによるガスが、障害者を使ってテストされ、微調整された。
1941年、カトリックの司教たちの抗議によって、T4計画は一度中止されたが、数ヵ月後には、チェルムノでの囚人へのガス処刑や、ヴァンゼー会議(ユダヤ人に対する大量絶滅の公式方針を確立する)が行われた。この計画によって、約25万人の障害者が殺されたと推定されている。
アメリカでは、ヴァージニア州での強制不妊手術を支持した1927年の連邦最高裁判所の判決は、一度も覆されていない。少なくとも31の州とワシントンDCでは、障害者を強制的に不妊手術することは合法である。
現在、アメリカでは労働省から「福祉的な作業所」としての認定を受けた企業は、法定最低賃金をはるかに下回る平均時給3.34ドル(477円)を障害者の従業員に支払っている。
さらに、今日、多くの障害者は、結婚の平等を有意義に享受していない。障害者の社会手当を計算するために、政府は「あなたの「収入
」のあらゆる面を加味して、いくら支給するかを計算します」と、作家でジャーナリストのクリステン・ロペスは電子メールで述べた。「結婚すれば、相手の収入も考慮され、もしパートナーの収入が多すぎれば、あなたは収入が少なくなるか、サービスをまったく受けられなくなります。」
健常者主義はどう回帰しているか
健常者主義は、アメリカの一般的な暮らしで忘れ去られやすい。しかし障害者は、健常者主義は今もあると主張しなければならない。障害者は人種、性別、社会経済的地位、その他あらゆる特性と障害の複雑に絡み合って暮らしている。白人至上主義のもとでは、その交差性の抑圧について語られることはない。
「DEIの現場で働く人が、公然と障害者の仕事を拒否しているのを私は見てきました」と、ロチェスター大学の公衆医療学の助教授であるワイアット・ホールさんは言う。「健常者主義や健聴者主義が台頭している一方で、他の形態の偏見も一貫してみられます」。
しかし、健常者主義別は結局、誰にでも刃向かう。トランプ政権による障害者の権利への攻撃と、それを容認する健常者による行為は、危険で広範囲に悪影響を及ぼすだろう。仮に判事がリハビリテーション法504条を違憲と判断すれば、公民権法など「支出条項法」とも呼ばれる他の公民権保護を解体する法的な先例となる。
「人種差別や性差別を対象とする支出条項法令は他にもあります。つまり、支出条項をめぐる攻撃は、将来的にはこれらの他の法令にも影響を及ぼす可能性があるのです」と、Disability Rights Education and Defense Fundの法務責任者であるクローディア・センターさんは、2月のオンライン集会で述べた。
変化を呼び起こす活動家たち
障害者には、平等な権利と法的保護を求める闘いで、健常者の障害に対する不快感を対抗するために、熟練した効果的な活動をしてきた長い歴史がある。ジュディ・ヒューマンと仲間の障害者活動家たちは、1977年に全国で座り込みを行い、リハビリテーション法504条の署名を初めて手にした。サンフランシスコの保健教育福祉事務所での26日間の占拠は、米国史上最も長い政府庁舎の占拠である。
草の根団体「Adapt」のメンバーは、利用しにくい交通機関や老人ホームの状況、その他の障害者中心の大義に抗議するため、しばしば車いすを使って封鎖を行い、警備員や警察官に立ち向かってきた。
1988年にギャローデット大学で行われた「デフ・プレジデント・ナウ」抗議運動では、学生たちが「障害者は無垢な心の持ち主」という考えをぶち壊すため、スクールバスのエンジンの点火装置をショートさせて大学の門を封鎖した。この閉鎖は、大学総長とろう者が多数を占める理事会で、学生の自己決定への要求が満たされるまで続いた。
「共和党が504条を撤廃しようとしているいま、1970年代の活動主義が今なお必要とされているのです」と、作家でありジャーナリストでもあるロペス氏は、歴史的な抗議活動の物理的かつ破壊的な性質について言及した。